カッコいいGUITARISTさん
- 麻美 四条
- 2016年5月12日
- 読了時間: 3分

Jazz Live に行く基準・・。
かなり以前の昔話し。
お小遣いを貯めて一枚のレコードを買い、アルバイトで稼いだ、なけなしのお金で LIVE へ足を運んだものです。
当時は、お金も無くて行ける LIVE も限られていました。
ですから、" 生 "の音に触れることができる 「LIVE 」に期待する気持ちは半端なものではありませんでした。
今は、お付き合いで「 LIVE」 に行くなんてことも多くなって、音楽を純粋に聞く、どんな音楽を聞かせてもらえるのかな・・などと考えていたあの頃とは「LIVE」 に行く意味合いが大きく変わってしまいました。
でも、ここで原点に返って、ワクワクする、期待できるかもと思える「 LIVE」 だけに行こうと考えるようになりました。
ですから、とっても気になる LIVE だと出かける時にウキウキするのです。
そんな気持ちにさせてくれたミュージシャンの一人が土屋秀樹さん 。
よく知っているスタンダードな曲でも、いろんな発想とアレンジで新しい「音楽にできる」心を持ってる風に感じます。
その個性の融合で生まれる音楽をうまく紡いで素晴らしい空気感を創り上げリードしていくテクニックにはカッコよさがあります。
最近は、ビックリするくらい上手い人や素晴らしい演奏をする人が増えました。
「上手いなぁ」、「すごいなぁ」という目で私も見ています。
でも「カッコいい!」ではないのです。
大昔、まだ若かりし頃に JAZZ 喫茶でコーヒーを飲みながら JAZZ を聞いていた頃、「カッコいい」と感じた、あの感動がそこにはないのです。
「かっこいい」とは、どんなものなのかと考えてみると、やはり新しい音楽のスタイルに挑戦する姿があるでしょう。マイルスのように“ 今 “を追い求める姿勢にドキドキする感覚。
そしてやはり「心」なのだと思います。初めてビル・エバンスを聞いた時に感じたスケールの大きさ、その深さ。ハービー・ハンコックを聞いた時の衝撃。
私が今一番聞きたいのは「カッコいい」音楽なのです。
1950年代や60年代の JAZZ を聞くことは嫌いではありません。なぜなら JAZZ を聞き出した原点はそこなのですから。
でも今は2016年。もう半世紀も前の懐メロそのままを、まるでコピーでもしたかのようなものを、わざわざ「LIVE」にまで足を運んで聞こうと思わないのです。そんなものは家でレコードや CD を聞いてりゃ十分です。
私は ” 今 “ を聞きたいのです。今を創り上げようとする音楽家さんの心を。
そういう気持ちで足を運んだ土屋秀樹さんの「LIVE」。
とある曲のインプロビゼーションでジョン・マクローリンのようなフレーズが聞こえてきました。
「おいらの Jazz Guitar の原点はここいらだよ」
というメッセージのようにも感じて私の心がニンマリとしました。
ある時はジェフ・ベックぽい音が聞こえてきたようにも思いました。
そこには「もっと自由に俺の音楽をやりてぇ」という彼の心が響き渡ります。
そう、あなたはきっと
この日本の JAZZ 界で類い稀な「カッコいい」ミュージシャンの一人なのだと思います。
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