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音楽を聞くのに理屈はいらない

  • 執筆者の写真: 麻美 四条
    麻美 四条
  • 2012年5月2日
  • 読了時間: 3分

2012年4月の終わりのことです。

ゴールデンウィークの幕開けにはピッタリの良い天気。

新宿 PIT INN にむかう道すがら

ふと街路樹を見あげれば

ちょっとだけ初夏を感じる萌黄色の新緑に

気持ちがリラックスするのを感じて笑顔です。

ピアノの山岸笙子さんのリーダーライブでしたが

アコースティックギターでジャズをやっている人がいる・・

そんな前情報に興味をそそられ

「聞いてみたい」 そんな気持ちで歩いていました。

さてライブの始まりです。

「ギターの人 、山口友生さんっていうんだ」

「どんな人だろう」

アコースティックギターでやってるくらいだから

「けっこうコダワリを持ってるだろうし気難しい人だったりするのかも」

とかボンヤリ考えてると

控えの小部屋のドアが開いてメンバーがステージへ。

メガネかけてて髭があって

山口さんていう人はやっぱり気難しそうな感じです。

いやいや見てくれで判断するのはやめよう。

掴みの一曲目、もちろん山岸さんの曲だろうと思っていたら

「山口さんのオリジナルから入るんだ」

ちょっと意外な小さな出来事に「えっ」と思っていると曲がスタート。

アコースティックギターじゃないと出ない弦の響きに

頭の中の小うるさい音楽センサーが理屈をこね始めました。

とってつけたような感じじゃなくて

とっても自然な感じが不思議に心地良くて・・

その時、たぶん左脳のシリアスプロセッサだと思うけど

評論家じみた屁理屈を弾き出そうとし始めたではありませんか。

自分の頭の中のこととはいえ

かなりうんざりして

「ええい、お前の電源をカットオフじゃ」と黙らせることに成功。

静かになりました。

JAZZ を聞くのに理屈はいらないのです。

ライブ中、Re-Confirmation の頃にはすっかり聞き入ってしまってました。

ベーレントの著書「JAZZ」の中に

「ファンの中にも尺度を変えないで古いジャズにしがみついてる人が多い」

という言葉があるのですけど

長くジャズに接してるとついつい自分の尺度に照らし合わせて

今聞いてる音を理解しようとしてしまうのですよ。

でも「ジャズのもっとも大きな魅力は生きているということである」

という彼の言葉通り素直に聞くことって大切なんですね。

経験の無い音に接する時って どうしても構えてしまうのですけど

気持ちをフラットにして

自然な気持ちでワクワクして楽しむことってすごく大切だと思います。

Parkerの「Confirmation」に似ているというより

Re-Confirmation は

その優しく拡がるナチュラルなフレーズが特徴で

私は「ワォ」と小さく叫んでいました。

だって、そこにあったのは 古臭いビバップのイメージじゃなかったからです。

セカンド・ステージの頃には どことなくヨーロッパ的なというか

そんなアコースティック・ギターのあたたかな響きに魅了され

山口さんの感性なのかな

ホンワカとした気持ちになってました。

今回のセッション

ここ数年感じたことの無い新しい感動でした。

ライブに行っっても めったにCDを買うことなんて無いのに

それがサインと握手までしていただいて

ミーハーのようにオタオタと喜んでいる自分に

またも驚いて

すごく楽しい素敵な一日でした。

2012 / 山口 友生


 
 
 

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